夫と娘は代々学問や文化を大切にする家系に生まれました。
今で言う「高級知識分子家系」です。
その背景あってなのか、夫は先代から引き継いだ教養や財産、知識をとても大切にしています。
そんな夫と1歳半の娘をもつわたしが「刺繍を通じて伝えたいこと」を残すとしましょう。
受け継がれるものは、財産だけではない

刺繍は、ただの手芸ではありません。
数千年の歴史を持ち、時代ごとに人々の暮らしや文化を映してきた芸術です。
またヨーロッパでは貴族の教養として親しまれ、技術だけでなく、美意識や丁寧に物事と向き合う心を育むものとして大切にされてきました。
娘のルーツである中国でもまた同じように宮廷のお嬢様がたしなんでいたそう。
子どもに残したいものといえば「財産」が多く挙げられますが「人は親や祖父母から、財産だけでなく、目に見えないものも」も受け継いでいます。
例えば、
- 本を読む習慣
- 美しいものに心を動かされる感性
- 学ぶことを楽しむ姿勢
- 手仕事を大切にする心
こうしたものも、大切な「遺産」
刺繍とのつながり

わたしが刺繍に惹かれる理由も、その延長線上にあるのかもしれません。
一針一針を積み重ねる時間には、知識を積み重ねることと共通する静かな喜びがあります。
娘に刺繍を継いでほしいとは思わないけれど、自身のバックグラウンドを大切に「淑女」のような美しさを兼ね備えてほしいと願っています。
ヨーロッパや昔の中国では、刺繍は貴族の女性の教養として親しまれてきました。
それは単なる装飾技術ではなく、美意識や忍耐力、集中力を育む学びでもあったそう。
針仕事はなんといっても根気強さがいりますからね。
手仕事で愛を注ぐ

今年のクリスマス、娘へのプレゼントとしてすべて手縫いのマグネットを製作しています。
決して流れ仕事ではない、一針一針魂を込めて。
そのころ2歳になる娘はきっと大きくなってもこのマグネットのことは覚えていないでしょう。
それでもいいんです。
自身のご先祖様たちがいかに功績を残して、世のため人のために生涯をまっとうしたのか。
「わたしには何ができるかな」と考える日は成長過程の中で必ずやってきます。
そんなとき、ふと母の針仕事で伝えたかったことを思い出してくれると嬉しいです。
